採れたて新鮮な野菜を丸かじり!そんな絵をあらゆるメディアで目にしますが、実際のところ、慣行栽培や減農薬野菜は残留農薬が心配ですし、有機野菜には虫害がつきもの。
野菜を安全に食べるには、まずきちんと土を払って洗うことが重要になります。
今回は、おいしさをそのまま保つことができる野菜の洗い方を紹介します。野菜の洗い方と一言にいっても、種類によって用意するものや傷つけずに触るコツが存在します。誤った洗い方でせっかくの栄養素を逃してしまわないよう、その野菜に適した洗い方を学びましょう。
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用意するもの
まず用意するものは以下の通りです。
- ボウル
- タライ
- たわし
- スポンジ
- つまようじ
- キッチンペーパー
- 綿棒
- ペパーナイフ
- 塩
- 重曹
葉物野菜
■この洗い方に適した野菜…ほうれん草、小松菜、白菜、キャベツ、春菊、レタス
【ステップ1】大きな土が落ちるまで流水で洗い流しましょう。葉脈が入り組んで凹凸がある部分はスポンジで、破れないよう優しくこすり洗いしてください。
【ステップ2】次にタライにつけおきします。小松菜やほうれんそうなど、根元の土が気になるものは、重曹をひとつまみ入れると細かい土が表面に浮き上がってくるので、スプーンですくい取ります。
長時間つけおきしすぎると、栄養素が抜けてしまうので、2、3分程度で処理してください。
根菜類
■この洗い方に適した野菜…ごぼう、にんじん、大根、じゃがいも、しょうが
【ステップ1】目立った土が落ちるまでタワシでこすり洗いをします。このとき、使うタワシはシュロなどの柔らかい亀の子タワシがオススメです。金属製の固いタワシは野菜の表面を傷つけてしまうので避けましょう。
【ステップ2】入り組んだシワに土が溜まっている場合は、重曹をまぶして、水で湿らせた手でサッと撫でつけると、小さな土が浮かび上がってきます。あとは流水で丁寧に洗い流してください。
キノコ類
■この洗い方に適した野菜…しいたけ、まいたけ、しめじ、エリンギ
キノコ類は直接水にザブンとつけてはいけません。シイタケが出汁を取る食材になっているように、旨味がすぐに水に溶けだしてしまうためです。
【ステップ1】大きな土は乾いたキッチンペーパーで払いのけ、頑固な汚れはペパーナイフでそぎ落としましょう。
【ステップ2】傘の部分に入り込んだ汚れをつまようじや綿棒で掻き出します。
茎野菜類
■この洗い方に適した野菜…ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス
密度の高いつぼみをつけている茎野菜類は「振って落とす」のが一番早くて簡単です。
【ステップ1】ボウルに水を張り、つぼみ部分を下に向けて10分ほどつけ置き。
【ステップ2】茎の部分を持って、ユラユラとゆっくり左右に数回振って水の中に土を落としてください。
ビニール袋に水と茎野菜を入れて振るという方法もありますが、強い力がかかりすぎるので、急いでいるとき以外はオススメできません。
皮の厚い果菜類
■この洗い方に適した野菜…かぼちゃ、冬瓜、白瓜
皮ごと調理することが多い果菜類は、流水と柔らかいタワシでよく土を洗い流してください。根菜類ほど入り組んだ部分は少ないので、重曹を使う必要は特にありません。
皮の薄い果菜類
■この洗い方に適した野菜…トマト、きゅうり、ナス
【ステップ1】スポンジをつかって野菜の表面を流水でよく洗い流します。熟れているものは強い力でこすると実がつぶれてしまうので、優しく撫でるように洗いましょう。
【ステップ2】ヘタの奥に重曹をふりかけ、水を張ったボウルにつけ置きします。5分程度で細かい土が浮かび上がってくるので、スプーンですくいとってください。
皮の厚いフルーツ
■この洗い方に適した野菜…レモン、オレンジ、リンゴ、グレープフルーツ
皮の厚くて固いフルーツは残留農薬だけでなく、ワックスがかかっていることがあります。皮ごと食べる場合、必ずワックスを落としてから食べましょう。
【ステップ1】皮の表面を水で湿らせて、重曹または塩をまぶし、カッティングボードの上でゴロゴロと転がして板ずりします。
【ステップ2】流水で洗い流して、表面から艶がなくなればワックスが取れた証拠です。ヘタや凹凸にワックスが残るようなら、スポンジと塩で優しくこすり洗いしてください。
皮の薄いフルーツ
■この洗い方に適した野菜…いちご、ぶどう、ブルーベリー
【ステップ1】ボウルに水を張り、泳がせるように軽くかき混ぜます。土がたくさんついているときは、小さじ1杯の塩を入れると効果的です。
【ステップ2】ヘタについている小さな汚れはつまようじや綿棒で優しく取り除きましょう。
そのほか繊細な野菜
■この洗い方に適した野菜…シソ、カイワレ大根、薬味ネギ
乾いた状態で軽くはたいたあと、ボウルに水を張り、泳がせるように軽くかき混ぜて汚れを落とします。
まとめ
その野菜に見合った洗い方で土を落とした野菜たちは調理をしても色つやもよく、旨味が逃げないので、生食も火を通す調理もお手の物。
食器洗い洗剤をひと匙入れる方法や、50度のぬるま湯で洗う方法も世間にはありますが、今回はなるべく天然のものを使って、誰でも簡単にできる方法を紹介しました。
今日すぐにでもチャレンジできるので、ぜひ皆さんこの機会に野菜の下ごしらえを見直してみてくださいね。